よい医師の見分け方2
医療の業界もある意味サービス業と言ってもいいでしょう。サービスを必要とする消費者(患者)がいて、それに対してサービスを提供する人(医師、或いは看護婦、看護士等その周辺の医療スタッフ)がいます。ですが医療の業界は、他のサービス業とは一線を画して語られるべきでしょう。医療業界が患者に提供するサービスは、他の業界が消費者に提供する商品やサービスとは大きく異なります。というのは医療業界が扱うサービスの内容は、まさに人の命や健康に関わっています。私達の生命や健康は勿論、ある意味社会の根本に関わる問題です。従ってそのサービスに関して情報や宣伝広告等が極端に氾濫する状況になると、そのことが大きな社会問題を引き起こすことになりかねません。
医療の世界をサービスの一環と捉えた場合、他のサービス業とは大きな違いがあるわけです。従って厚生労働省はこれに関して、病院がその値段(診察費が安い等)や品質(診察、手術が上手等)に関する宣伝をすることを禁じています。このことは多くのサービス業が価格や品質の優性等を大々的に宣伝して顧客を集めようとしているところと大きな違いがあります。
もっともインターネットを使えば、ある病院の手術成功率といったデータは引き出すことが可能です。ではどうしてインターネットの場合、以上に挙げた各病院の業務実績、医療の内容に関わる重要な情報を引き出すことができるのでしょうか。その理由として、日本ではインターネットは広告と見られていないことがあります。従ってインターネットを使うと、こうしたかなり重要と思われるデータの閲覧が可能です。厚生労働省による病院に対する規制や措置にはそれなりの納得のいく理由があり、私達にも理解できる部分があります。ですが逆にこうした措置を施すことによって、消費者(この場合は患者)が知りたいと思っている情報が制限されてしまう、といった欠点も指摘されています。
ところでよい医師を選ぶことには、よい病院を選ぶことが欠かせません。よい病院を探す、言ってみれば病院を評価することについても、以上に紹介したのと同じようなことが言えます。ですが例えば手術成功率という一つのデータの例にとっても、その数字を如何に理解するか、言ってみればその数字をそのまま信じることができるのか、といった問題に対しては疑問が伴います。というのも例えばどこかの民間の病院の場合、難しい末期癌の患者等はそこで手術しないでどこかの大学病院等の大型病院に送り、そして手術の比較的簡単な初期癌の患者だけ手術を引き受ける、そうして手術成功率の数字を高めるといった言わば数字の操作が、実際にやろうと思えば可能です。現実に病院でこういった操作が行われているかどうかについてはなんとも判断がしづらいところですが、理論的には十分可能で難しいことではありません。結局のところ手術成功率といった数字があって、その数字を見ることができたとしても、その数字を鵜呑みにはできないと言うことです。そして最初の話に戻りますが、結局医師や病院の良し悪し、優劣を評価する方法は難しく、それを判断する基準は曖昧さを伴っているというわけです。
こうした問題に対して、病院側も手をこまねいて何もしていない、というわけではありません。病院によっては医師を評価するべく方法を採っています。ある病院では医師の評価表を作成しています。そして様々な角度から医師を評価付けし、医師のサービス向上、強いては病院のイメージ向上を図っています。そこでの医師を評価付けする項目としては診断・治療能力の他、医師の勤務姿勢や研修に対する取り組み、初期研修医への指導、患者やスタッフを含めた対人関係といった項目があります。こうした診療や業務に関わる様々な角度から医師への評価が行われています。また海外のある大学病院ではこれら以外にも基礎学歴や医療に関する情報の収集能力、カルテ記入、患者への診断及びその問題解決能力、患者のニーズを把握する力、患者やスタッフとの協調性、仕事への積極性等にわたって、細かい評価付けがされています。
オススメ ⇒ 医師、看護師にまつわる状況とは
どういう医師がいい医師かといった問題ですが、これには結局のところ正解が無いと言っていいでしょう。それ故医師等医療の世界に携わる者にとっての永遠のテーマと言えます。これをご覧の皆さんが医師、或いは医師を目指す人でしたら、将来たとえどういった形で医療の仕事に携わろうとも、ずっと考えていてほしい問題なのです。