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病院のサービス
これから医師を目指す人も、現在既に医師として医療の現場の第一線に立っている人も、業界として医療業界のその未来の行方は気になるところでしょう。ここでは医療機関の将来について考えてみることにします。
医療業界もサービス業界の一つであるという見方があります。では医療はそもそもサービス業に当たるのでしょうか。その問題に対する答えは結構分かれるのではないかと思います。言うまでもなく現在の日本は本格的な高齢社会、少子社会に突入しています。そうした環境の変化とあいまって、現在の医療を取り巻く環境、条件も厳しさを増しつつあると言ってもいいでしょう。そうした環境の変化を受けて、医療もそれに対応して変化していかなければならないでしょう。医療は果たしてサービス業なのか、という問題提起をしましたが、最近ではサービス業というアプローチから一部の病院では患者にポケベル等の通信機器を持たせて、順番が来た時に患者を呼び出すようにしています。そうすることによって患者が順番待ちの時間を無駄に過ごさずに有効に使えるように配慮したり、或いは予約システムを充実させたりしています。これらは患者が病院において少しでも心地よく過ごせるようにといった配慮が根底にあります。それ以外にもソフト面でもハード面においても、病院の環境を改善していこうとする動きが見られます。これらも患者の立場に立ってアプローチだと言えるでしょう。一部の病院によるこうしたアプローチ、試みは病院お環境やサービスのみならず、当然ながら医師や看護婦、看護士等といった医療スタッフにも及ぶことになります。これからの病院は、恐らく今までのように医者がふんぞりかえって言わば殿様商売のような感じで患者に対応する、というのでは駄目でしょう。意外に思われるでしょうが、現在は医師の数が過剰になりつつあります。それに伴って当然ながら病院の数も余剰になってきています。従って患者の側から見ればあまりに医師やスタッフの態度が悪い病院ならば、いかに腕のいい病院でも敬遠するであろうことが十分考えられます。これからは患者が病院を選択し、ふるいにかける時代になる可能性があり、しかもその可能性は決して低くないでしょう。ですがだからと言って、「患者様は神様です」と言って極端に病院や医師が患者におもねるというのも考え物です。病院という施設、医師という仕事は患者の健康に関わる、場合によっては生命を預かるという神聖な使命を負っていると言えます。こうした業界が極端な商業主義に陥り、過当な市場競争に陥れば弊害が出ることは充分に予想され、そうして弊害は取り返しのつかない大きなものになりかねません。結局のところ医師の仕事としては殿様商売になるのではなく、かと言って極端に「顧客第一」に陥るのでもなく、医師は医療の分野の専門家、ある意味コンサルタントとして患者の気持ちになって患者の悩みを解決し、時にその解決が困難な場合には一緒に悩む、そういった常に患者と共にあるといった姿勢が重要になると思われます。